一年を振り返り、新しい歳を晴れやかに迎えるお正月飾り
一年を振り返り、新しい歳を晴れやかに迎えるお正月飾り
厄を払い、悪いものを寄せつけない意味を持ち、魔除けの役割を果たすと言われています。
日本では古くから、玄関に注連縄を飾ることで歳神様が訪れ、来年の福を運んできてくれると信じられてきました。
長崎の出身で、故郷の土や植物を用いて、注連縄飾りや土守りを制作する内藤千鶴さん。
「お正月飾りを色々と調べていたら、形や色にも様々な意味があり、日本の暮らしの中で受け継がれてきた祈りを感じ、とても興味深いと思いました」
注連縄の材料となる藁は、青い色が特徴。「この青い色を目指して歳神様が来てくれると言います。」と内藤さん。
「お米を収穫した後の稲ではなく、穂が出る前の青々とした稲でつくるため、青みと香りが残り、清々しくお正月を迎えられる気がします。形にも意味があり、メガネの形をしたものは、先を見通すので、見通しが良い一年になりますようにという意味があります」
「日本で古くから縁起が良いとして使われてきた植物のウラジロは、長崎に住む父が山から取ってきてくれたものを使っています。自然の動きを生かしたまま乾燥させているので、生き生きとした躍動感があります。
注連縄は、作り手によって形も様々で、めでたい名前を形にしていきますが、植物を使いながら自由な表現で、祈りを形にできるところに面白さがあります」
また、内藤さんにはワイス・ワイス別注の小川和紙の紙垂(しで)を使ったお正月飾りを制作していただいています。
「紙垂の形は、雷を表していて、水不足にならないようにという豊作の願いが込められています」
一つ一つ、祈りをこめて、丁寧につくられたお正月飾り。手作りの温もりと自然の香りをお楽しみいただけます。
四季を感じる日本の美しい伝統を暮らしの中に。そろそろ、来年を迎える準備を始めていきませんか?
<1点1点、新年への祈りを込めて丁寧に仕上げられるお飾り>
内藤さんの作品は、WISE・WISE tools 東京ミッドタウン店とオンラインサイトにてご覧いただけます。
文・撮影:さとう未知子