日本の木で作り、日本の漆で仕上げた 極上のお箸
毎日の食卓で必ず用いる、日本の暮らしの道具の代表「お箸」。
WISE・WISE toolsでは、六本木・東京ミッドタウン店舗の開店以来十数年、東京墨田区にある「大黒屋」さんの「江戸木箸」をお取り扱いさせて頂いています。
大黒屋さんのお箸を購入されたお客様は、数年後にお箸の修理のためにまた来店してくださいます。
日々愛用される中で漆が薄くなり、時には折れてしまったりしたお箸が、漆の塗り直しや、削り直しのメンテナンスを受けて、またお客様の手元に戻っていきます。
修理をしてでも使い続けたくなるのは、一度大黒屋さんのお箸でご飯を食べると、いつもの食事がぐっと美味しく感じられるから。
修理の間にも他のお箸を使う気になれず、追加のお箸を購入して帰られる方も。お箸によって、本当に食事の時間の豊かさが変わってしまうのです。
toolsスタッフも愛用させて頂いている大黒屋さんの江戸木箸ですが、WISE・WISEの取り組みである“フェアウッド”を用いて、さらに現在の日本では大変稀少な“国産漆”で仕上げた、極上のお箸を制作していただきました。
いつもの食事がぐっと美味しくなる、大黒屋さんの江戸木箸
“神経の行き届くお箸”
自分の手の延長の様な感覚で使える秘訣は、多角形のカット。
この多角形の削り出しは、特別な治具を用いているのではなく、職人の感覚のみで生み出されています。
中でもお箸を持つ指の角度を研究して生み出された「七角」のお箸は、偶数の八角等と異なり並行に向き合う面が無い、大変削りにくい多角形。
美しい七角形の仕上がりは職人技の極みです。
大黒屋創業者・江戸木箸の考案者である、竹田さん。フリーハンドで、目印も何もなく、1本の棒材を削り出していきます。
削っては確認、削っては確認、を何度も何度も繰り返します。
まず太い方の端を削り出し、少しずつ先端部分へ。
「七五削り」では、握る部分を七角・箸先は最も物をつかみやすい五角形に削り上げます。細い箸の中で面の角度を変える、まさに神業です。
「利休箸」は、太い部分の先に丸みをつけ、ほっそりと軽やかな仕上げに調整します。
最後に箸先を丁寧に仕上げます。
面取りを行い、やっと1本のお箸が仕上がります。
機械ではなく、人の手だからこそ作ることのできる技術です。
“斧が折れるほど堅い” オノオレカンバの木
「国産材を使って、お箸を作ることが出来ないだろうか」
通常の高級箸は「黒檀」等の堅い海外産の木材を用いて作られています。
特に大黒屋さんの作られるような細く繊細なお箸は、堅い材でないと強度が足りず、デザインと機能性を再現することができません。
国産の堅い木を探して、色々な木工作家さんに訪ねて回っている中で、「木材加工面がわかる樹種辞典」の著者でもある木工作家の河村寿昌さんが「オノオレカンバ(斧折樺)」のことを教えてくださいました。
“山の稜線にしか生えない”と言われるとても稀少なオノオレカンバ材。
岩手県岩泉町の「岩泉フォレストマーケティング」さんが岩手県産のオノオレカンバ材を提供してくださいました。
標高500メートル以上の山肌に根を張るオノオレカンバは、1mm太くなるのに3年を要するほど成長が遅く、日本一の堅さを誇ると言われている希少な樹木。
森林率93%を誇る岩泉町。
岩泉フォレストマーケティングでは、岩泉町の多様で豊かな森林資源を活用した商品・サービスの開発および販売を手掛けています。
“国産漆”の拭漆仕上げ
現在の日本で流通している漆の約97%は海外産(主に中国産)の漆と言われています。
国産の漆は3%ほどで、さらにその殆どは日本の文化財の修復に用いられるため、供給量が不足し大変高額になってしまいました。
漆器は下地塗り・中塗り・仕上げ塗りと漆を何度も塗り重ねて制作されるため、最後の仕上げの塗りにのみ、国産漆を用いている漆器もあります。
そんな中、漆塗りをご依頼させていただいたのは、長野県木曽山脈の麓にある竹内工芸研究所さん。
国産天然100%の漆を使用して、漆の植栽・採取・精製までを一貫して取り組んでいます。
木目を生かした拭漆仕上げで、優しい風合いに仕上げてくださいました。
10回漆を塗り重ねています。塗り直しの修理も承ります。
“春夏秋冬”の四季のマーク入りの巻紙と、森林をイメージした深緑色の紙箱に木の年輪を活版印刷したパッケージが付属します。
日本の木で作り、日本の漆で仕上げた極上のお箸。
ぜひ美味しいお食事のお供に、末永くご愛用くださいませ。